九星気学講座

<方便力養成講座>

                                             <講義―1>                                 2016.1.26

 

人生は、人との出会いの連続とも言えます。

「オギャア!」と生まれて両親に抱きかかえられ、祖父母や兄弟姉妹という家族と出会い、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と学友との出会いがあり、社会に出て上司や同僚という仲間ができます。

そのたくさんの出会いの中で、喜びもあれば悲しみもある。この様々な出会いの中で、心の葛藤が生まれ、悩み、苦しむのも事実です。

産んでいただいた親とも意思疎通がうまくいかず、分かり合えない、心が通じないなどの苦しみを味わっている方も多々おられます。

分かり合える人もいますが、分かり合えない人もでてきます。

好きな人、嫌いな人、居心地のいい人、悪い人・・・などなど。

自分と同じような性格の人は解り易いのですが、全く理解できない人も出現します。なぜそう思うのか解らない、何を考えているのか理解できない。

また、いくら自分の気持ちを伝えようとしても、解ってもらえない、理解してもらえないといった経験もすることとなります。そんなことを繰り返していると、自分で自分が解らなくなることさえあります。

自分さえも自分の心と向き合えず、人の心にも自分の心が届かず、相手の心も全く見えない、そんな心の葛藤は、人間特有の悩みとも言えます。

人生は、人との出会いの連続である以上、避けられるものではありません。

「己を知り、敵を知れば百戦危うからず」といいますが、自分の心もよくわかり、相手の心もよく見えていたら、回避できる悩み、苦しみも増えていくに違いありません。

 

方便力養成講座は、まさに人の心、個性、特徴、傾向を九星、姓名鑑定を通して目に見えない心を学び、身に着けることによって、居心地のいい人生、毎日の人との交わりの中で見失わないことを目的としています。

心とは目に見えないもの、その心の特徴、癖、傾向は、どのようにしたらわかるのでしょうか?

 

九星・姓名鑑定を学び身に着けると、現実生活の中でそれを活用することによって、今まで見えなかったものが見えるようになり、様々なことができるようになります。

 

<活用―1>

この活用は、日本人だけではなく、アメリカ人にも応用できた事例を紹介します。

あるアメリカの都市で勉強会があり、そこに招待されて講演を終えた後の懇親会の出来事です。西洋の方々は東洋の神秘というものにとても興味があり、その中である方が占星術に興味を持っているが、東洋の九星というものについて聞きたいとの質問がありました。

すかさず、「それではここで実際にその九星をご紹介しましょう」と申し上げて、そこに集まっておられた十数名の方々、お一人お一人の生年月日をお伺いし、その方の性格、個性、行動の特徴、そしてそれらが周りの人たちにどのような影響があるのか、どのように受け止められているのか、をお伝えしました。

そこに集まっておられた方々というのは、一般の主婦の方から、会計士、弁護士、内科の医者、それから大学教授まで幅広い方々がおられました。その中で、「あなたはこういう性格でこういう個性を持って、周りの人にこういう影響を与え、あなたはこういう風に思われていると思います」と伝えました。すると言われた本人は、「え!私って、そうなの?」と言うと同時に、その方の友人は、手を叩いて、大笑いをして、「そう!そう!あなたは確かにそうだわ」と。

そういうことを、一人ひとりにさせてもらうと、本人はすこし当惑気味ですが、周りは大はしゃぎという状況でした。

その集まりの中で、特に大学の教授が驚いて、「初対面で、何も私たちのことを知らないあなたが、なぜそこまで本人のことが解るのか? その九星とやら、説明してほしい」と。そこで私は、「皆さんが理解できるように説明しろとおっしゃるなら、それは2、3年かかります。簡単に説明しても理解できないと思います」とお答えしました。その教授は、憤然として、「頭がおかしくなりそうだ」とおっしゃって、勉強会は2日間あったのですが、翌日の勉強会は、「熱が出て、欠席します」とのことで、来られませんでした。

 

<活用―2>

これもやはりアメリカでのことですが、九星というものについてその仲間内に噂が広まって、行くところ行くところで質問されるようになりました。

ある会合で一人のアメリカ人男性が私に歩み寄ってきて、質問したいことがあるというのです。「どうぞ」とお答えすると、「あなたは、九星という摩訶不思議なポケモンのようなことが出来ると聞いたが本当か?」と。実はこの方は、ポケモンというキャラクターになぞらえて、九星を小ばかにしていたんですね。

「あなたの聞きたいことというのは、何ですか?」とお聞きすると、「実は、一緒に住んでいるパートナーとうまくいかない。何時も喧嘩になる。どうしたらいいか、ずっと悩んでいる」とのことでした。いつも自分がイライラして、最終的に怒りで切れてしまう。当のパートナーは、自分が怒っても、何かボーとしていて、それがまた腹が立つと。

それで私は、お二人の生年月日を聞いて、すぐに解りました。そしてその方にこうお伝えしました。例えば、今日は外食にしようか?と二人で合意して、じゃあ、今日はイタリアンにする? それとも中華にする? と聞くと、パートナーは、「そうだね~? どっちがいいかな~?」、するとあなたは「早く決めろよ!」、パートナーは「この前は、こうだった、そのまえはこうだった、どっちがいいか?」、あなたは「だから、はやく決めろよ!」、パートナー「どうしよう????」、その時、もうあなたはブチ切れてしまう。

そう私が伝えると、「そう、そう、その通りなんです。なぜ解るんですか。まるで家の中を覗かれていたような気がします」と。

それで、私はこの方々の九星を説明してあげました。「あなたは九星の中の三碧という星で、パートナーは四緑という星です。三碧という星を持つ人の特徴は、心に思ったことはすぐに体が動いてしまうということ、そしてパートナーは四緑で、この人はのんびりゆっくりの人で自ら動くということが弱く、だから決断力が弱く、すぐに迷うという個性を持っています。三碧も四緑も、同じ木性なのですが、陰と陽があって、陽は活発、陰は静、という特徴があり、三碧は木性の陽なので、まるで芽から発芽した二枚の若葉で、とても力がありアスファルトも突き破って芽を出すほど活発、それに反して四緑は木性の陰で、いわば大木。もう育ちきっているので動かなくていい。もう一つの特徴は、木は風になびくように言われたことは素直に受け入れるという特徴があるということを伝えました。

すると彼は、「なるほど、私が若葉で、パートナーは大木か!? それですぐに動かないのか」と納得しました。「じゃあ、僕はパートナーにどう接すればいいですか?」と、今度は、言葉も丁寧になってきました。

「四緑は迷うという特徴をもっているので、聞いたら迷う。あなたは、即決の人だから、自分が決めて、決めたことをパートナーに伝えると、いいですよ」とお伝えしました。彼は、「これからそうします。安心しました。九星っていうのは、すごいですね」とひたすら関心していました。

これは、単純に九星の陰陽五行の活用です。

 

<活用―3>

あるご夫婦が来られました。還暦を過ぎておられ、特に悩みなどはなかったのですが、ご主人が早期退職をされて、長年の願いだったある事業を続けておられましたが、いつ辞め時かということが一番の関心でした。

奥さんの九星・姓名鑑定をさせていただいて、ご主人に「ご苦労様でした」とお伝えすると、笑っておれらました。この奥さんは男勝りのやり手の奥さんで、聞くとある企業の課長まで務めたとのこと。奥さんの尻にしかれた感じですね。そうすると男は、女らしい女を外に求めるわけです。それで、「40代で夫婦の危機があったはずです。それがおさまって夫婦でいられるというのは、奥さんが人生の方向転換されませんでしたか?」とお聞きすると、「仕事をやめてボランティアをはじめました」と。それで私は、「ああ、そうしなければ離婚になっていたと思います」とお答えし、さらに「ご主人も、女性問題があったかな?」とお聞きすると、笑ってごまかしていました。

その時は、何事もなく、世間話のようなかたちで、帰路につきましたが、一緒にいたかたが、「実は、言っていただいたことはすべて当たっていて、田舎のことなので、ご主人が女を作って、親戚から近所から大騒動になって、仕事を辞めざるを得なくなって奥さんが仕事をやめた」と教えて下さいました。「なんでそんなことが解るんですか?」と聞かれ、九星・姓名鑑定を学ぶと見えないものが見えてくるんですよとお答えしました。

ちなみに、ご主人の事業を辞めるのは、何年後がいいですよ、とお伝えしたら、そのように会社を辞められ、タイミングよく大手の会社が事業をそのまま買い取ってくれて、いまでは手数料までいただいているとのことでした。

これは、九星と姓名鑑定の両方の活用です。このような活用の仕方をこれから学んでいきます。

 

◇なぜ学んでも、活用することが難しいか

九星や姓名鑑定を学ぶ方はとても多いのですが、途中で辞められる方が多いのも事実です。そしてそれを使える、活用できる人は少ない。それはなぜか? 理由は簡単で、学んでも学んだ通り当たらないからです。学んでも、当たらないから面白くないので辞めてしまう。

なぜ学んだように当たらないか、その理由をまず説明します。

九星・姓名鑑定の書籍は、たくさん書店にもならんでいます。専門的すぎるもの、概略的すぎるもの、平易な説明に過ぎないもの、つまり一般の方、言い方は悪いかもしれませんが素人にはマスターするのは難しいのです。マスターした人から学ぶのが一番の近道と言えるかもしれませんが、なかなかそういう人に巡り合えるのも難しい。例え、そういう方のから学ぶ機会が得られても、使える、応用する、当たるまでにはなかなか至らないのが現実です。

それは、なぜか? つまり理論、法則を学ぶだけでは、応用できないということです。理論・法則は、それはそれで現実に稼働しています。しかし、現実に現れ方は理論通りではないということです。

 

このことを解りやすくするために譬えを用いると、すき焼きを思い浮かべていただけますか?

九星・姓名鑑定の理論・法則というものは、すき焼きの食材と言えるのです。すき焼きの材料は、牛肉、白菜、ネギ、白玉、椎茸、えのきだけ、豆腐などです。それぞれの食材には、それぞれの形と味があります。それが理論・法則ですね。

ところがすき焼きが煮込まれて出来上がって食べてみると、それぞれの食材のそのものの味は変わっているはずです。それは、同じ一つの鍋の中で、ぐつぐつ煮込まれて、お互いの味がお互いの交錯、染みわたって、まろやかな統一したすき焼きという味わいとなっているからです。

つまり、九星・姓名鑑定にしても、実際に生きて感じて行動する人間は一人の人間(一つの鍋)で、それぞれの持ち味は複雑に絡み合って影響しあって表面に出てくる。それゆえ、理論と法則そのものは、はっきり純粋な形では現れてこないのです。

美味しいすき焼きもあれば、見た目はすき焼きだけれども、作る人によっては、すき焼きの味はするけど、一つ一つ食べてみるとちょっと味気ないという経験を私たちはしています。

私が青年の頃、仲間が集まってすき焼きパーティを開きました。

私が驚いたのは、初めから鍋に牛肉から野菜から豆腐まで全部入れてしまって、「すき焼きのたれ」という瓶をそのままぶっかけて火を着けたのです。そんなすき焼きの作り方は初めて見ました。それぞれの家庭では、その家その家の独自の作り方もあるのではないでしょうか?すき焼きに限らず、そのたの料理、特に母の手料理は母の愛情のこもった長年の経験から母独自のレシピが自慢の方もあります。私の大学の親友が、お母さんのおでんは最高だといつも自慢して、定期的に手作りのおでんをわざわざ実家から送ってもらっていました。

話を元とに戻して、その手抜きすき焼き(私から言わせれば)の味は、ひどかったのを今でも覚えています。味はすき焼きですが、何かが足りないと感じながら食べました。

それぞれに作り方はあると思いますが、私が美味しいと思うすき焼きは、まず初めてに背油で油を鍋に馴染ませ、そこに牛肉を炒める。するとそこに牛肉からにじみ出た油が鍋に広がり、そこに白菜・白ネギを炒めると、特に固い芯の白菜とネギに肉のうまみが染み込み、野菜から水分が出て、それがすき焼きをベースとなって、そこに醤油、砂糖、味醂、日本酒を加えて煮込むと、コクのある味わい深いすき焼きが出来上がる。春菊、豆腐はあとからでもいい味が染みわたります。

人間も同じことが言えて、作る人によって人間としての味わいが変わってくるということです。愛情たっぷりに育てられた人(丁寧に作られたすき焼き)と愛情というより形だけ育てられた人(手抜きすき焼き)とでは、味に違いがでてきます。つまりその人の育った家庭、家庭環境、成育歴などで現れ方が全く違ってくることもあるのです。

ですから、牛肉はこういう味、ネギはこういう味、白菜は・・・、豆腐は・・・と理論を学んでも、食べてみると違った味わいになる。つまり、九星も一白はこう、二黒はこうとそれぞれその特徴を学んでも、学んだようにそれがそのまま現れるとは限らないのです。すき焼きのネギがネギそのものの味はもうしないように、その人の育ち方、生き方でその人の持ち味をその人なりの表現の仕方になっていることに気づかない限り、理論・法則だけを学んだのでは、使い物にならないのです。

 

◇どうしたら活用のできる(当たる)学び方が出来るのか?

すき焼きの食材も、お互いに味が複雑に混ざり合っているとは言え、その食材の本来持っている味を知らなければ、何を食べているのか解りません。まず、その食材の本来持っている味、特徴を知り、その上でその他の材料、料理方法を知れば、どのような味になるかが解ってきます。

つまり、やはり基本となるのは、理論・法則を純粋に学ぶことから始めなければなりません。まずはじめに九星という九つの特徴に分かれる前の『陰陽五行』を学ばなければなりません。これは理論の前の純粋培養理論と言ったところでしょうか。野菜の食材も、どの種から、土壌、肥料など、その果実となる背景を知ることによって、その野菜の特徴が解るように、九星の種、土壌、肥料となるものが「陰陽五行説」になります。

活用の出来る学び方に入る順序次第は、「陰陽五行」から始め、そして「九星」のそれぞれの特徴へと進んでまいります。

 

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